2010年06月 / 05月≪ 123456789101112131415161718192021222324252627282930≫07月

--.--.-- (--)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--:--  |  スポンサー広告

2010.06.30 (Wed)

民王  池井戸潤

民王民王
(2010/05/25)
池井戸 潤

商品詳細を見る

内容(「BOOK」データベースより)
国会騒然…!日本の政治はいったいどこへいってしまうのか!?胸がスカッとする痛快エンタメ政治小説。


御名御璽にて首相に指名された民政党の武藤泰山。ある日突然、大学生の息子の翔と中身が入れ替わってしまう。
政治どころか漢字もまとも読めないバカ息子の翔は質疑応答で珍答、問題発言続出で世間からの批判が集中する。
対立政党の陰謀?それともこれはテロなのか?
閣僚の女性スキャンダル、酔っ払い発言、献金問題などをドタバタコメディータッチで描いていく。

僕の中では企業小説のイメージが強い池井戸さんですが今回は政治を舞台にした小説ということで期待感たっぷりで読んでみました。

最初、読み始めたときは『空飛ぶタイヤ』『鉄の骨』とは雰囲気が違ったのであれっ?っと思ってページを捲ってたんですが読み終わってみれば痛快でスカッとする心地よいエンタメ作品でした。

『空飛ぶタイヤ』のような骨太な小説を期待した人にはやや肩すかしを受けるかもしれませんが、コメディータッチで現在の政治を痛烈に風刺するところなんかは流石ですよ。
政治の本道とは何かってことを笑わせながら教えてくれます。
池井戸さんの小説ってなんかかゆいところをうまく見つけてかいてくれるそんな印象があります。

バカ息子の翔と首相の泰山がギクシャクしながらも最後ではお互いを認め合っていくという展開はちょっとベタな気がしないでもないんですがこれもよかったです。

本音と建前だらけで言いたいことの言えないこの世の中、小説の中だけでも読者を気持ちよくさせてくれる、これぞ娯楽小説です。
スポンサーサイト
13:04  |  本(あ行の作家)  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)

2010.06.29 (Tue)

影法師 百田尚樹

影法師影法師
(2010/05/21)
百田 尚樹

商品詳細を見る

内容(「BOOK」データベースより)
光があるから影ができるのか。影があるから光が生まれるのか。ここに、時代小説でなければ、書けない男たちがいる。父の遺骸を前にして泣く自分に「武士の子なら泣くなっ」と怒鳴った幼い少年の姿。作法も知らぬまま、ただ刀を合わせて刎頚の契りを交わした十四の秋。それから―竹馬の友・磯貝彦四郎の不遇の死を知った国家老・名倉彰蔵は、その死の真相を追う。おまえに何が起きた。おまえは何をした。おれに何ができたのか。


『風の中のマリア』で本邦初のスズメバチを主人公にした小説を書いた百田尚樹さん。
今回は初の時代小説です。
百田さんはデビュー作『永遠の0』のときから新刊がでればずっと読んでる好きな作家さんのひとりです。
毎回、違ったジャンルに挑戦する意欲はすごいものがあるし、どの作品も読みやすくてリーダビリティの高さは流石だなと思います。

前作の『モンスター』は面白いことは面白かったのですが個人的にはもうひとつといった感想だったのですがこれはよかったです。

はっきりとした身分制度があった武士の時代。
下士の出ながら異例の出世を果たし筆頭国家老にまでなった名倉彰三。
彰三には運命的な出会いをした刎頸の友、磯貝彦四郎がいた。
文武両道、天才的な彦四郎は彰三のあこがれの存在でもあった。
そんな彦四郎がなぜ落ちぶれて淋しい最期を遂げなければなかったのか。
彰三の回想とともに物語はその謎にせまっていきます。
終盤に向かって一気に読ませる迫力たっぷりの面白さ。
徐々に浮かび上がってくる真実に胸がじんじんしてくる。
そして最期に彦四郎という人物の真の思いに気づいたときには切ない痛みとともに深い感動が押し寄せてくる。
『影法師』というタイトルからも読み手はうっすらとこの物語の結末を予測することができるのですがそれ以上のものがありました。
ちょっと出来すぎって感じもするんですが、デビュー作「永遠の0」をちょこっと思い出させてくれるような感動作でした。
02:27  |  本(は行の作家)  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)

2010.06.25 (Fri)

ぼくらのひみつ

ぼくらのひみつ (想像力の文学)ぼくらのひみつ (想像力の文学)
(2010/05/07)
藤谷治

商品詳細を見る

内容(「BOOK」データベースより)
こんなこと信じてもらえるだろうか。ぼくの時間は2001年10月12日金曜日の午前11時31分で止まってる。喫茶店でコーヒーを飲む、部屋に戻り昼寝をする、起き上がってぼーっとする、文章を書く、顔を洗う、町を歩く、これだけしてもずっと11時31分。そんなとき京野今日子と出逢ったから、ぼくのせいで彼女も11時31分にとどまることになってしまった。やがてぼくらは思い立って、ある計画を考えるのだけど…止まっているこの時から、ぼくらはゆっくり歩き出す。スローモーションの新・青春小説。


本屋大賞候補になった『船に乗れ!』を読んでとてもよかったのですが今度の『ぼくらのひみつ』は毛色がちょっと違うみたい。

読む前からそんな予感がしてたのですが予感したとおりと言っていいのかなって作品でした。

なんせ、早川書房『想像力の文学』シリーズです。
このシリーズを読むのは瀬川さんの『ミサキラヂオ』津原さんの『バレエ・メカニック』に次いで三冊目ですが、特に『バレエ・メカニック』には苦戦しました。

2001年10月12日午前11時31分で止まってしまったぼくの時間。背中にはなぜか麻袋が張りついている。
周りの人たちは動いているのに僕だけが先の時間に進めない。

主人公が止まった時間のことをノートに綴りそれを読んでいくといった形式で物語りは進行していきます。
永遠と繰り返される1分間。なぜこうなったのかが主人公のぼくも読み手である僕にもさっぱり理解できない。

別れた彼女「ウルフ」の話し、カポーティの「冷血」、チェスの話し、哲学的な話し、退屈な時間の中で京野今日子と出会い二人で旅に出る。

いろんな話しが語られるんだけどそのどれもがもよく判らない。
訳のわからないことが淡々と続く不条理な展開にちょっとイライラしながら途中で投げ出しそうになってしまった。
しかしながら読みやすい文体とセリフでなぜか最期まで読ませてくれる不思議なチカラをもった小説でもありました。

結局、読み終わったあとも、なぜこうなったのか、何を伝えたかったのか、よくわかりませんでした。

終わりのほうに主人公のこんな言葉があるんですよね。

「忘れてはいけない。想像力によって人はすべてを理解する」

僕にはまだ想像力が足りないようです

ストーリーに関係あるのか無いのかよくわかりませんが主人公のぼくの時間が止まる1ヵ月前の2001年9月11日にって日はニューヨーク同時多発テロ事件が起こった1日だったんですよね。

なぜかそれが読み終わったあともずっと頭の中に残ってました。
03:24  |  本(は行の作家)  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)

2010.06.24 (Thu)

私たちには物語がある  角田光代

私たちには物語がある私たちには物語がある
(2010/04/28)
角田 光代

商品詳細を見る


内容説明
人気直木賞作家による、最高の読書案内!

小説はもとより、エッセイの名手でもある角田光代さん。
本書は、幼い頃から活字を追いかけ、膨大な、そして幸福な時間を過ごしてきた彼女の「読書にまつわるエッセイ」と、さまざまなジャンルにわたる「物語」への愛に満ちた書評からなっています。
物語を見渡す、作家ならではの観察眼。そして読書家としての、物語に向ける誠実な愛情。物語に深く沈みこむことの幸せとまだ見ぬ書物との出会いの高揚感を、教えてくれます。
角田さんは「あとがき」に、こう書いています。
「こんなにも世界にはたくさんの本がある。私はこれらの活字を追いながら、じつに膨大な、幸福な時間を過してきた。その幸福な時間が、この一冊には詰まっている。
けれど世界にはもっともっと本がある。本を読むことで、笑ったり泣いたり怒ったりざわざわしたりどきどきしたりうっとりしたり、これだけゆたかに感情を揺さぶられてきたけれど、また別の方法でふれてくる本が(略)まだまだ多くあるのだろう。そう思うと、本当に途方もない気持ちになる。」そして、「紹介した本のなかの一冊でも、おもしろそうと思って手にとっていただけたら、こんなにうれしいことはありません。これからもともに、本のある世界で愉快に暮らしていきましょう」と。


小さな頃から本を読むのが大好きだった少女が作家になって二十年。
本を読むこと、書くことでこの本がある世界の素晴らしさ、幸福感を噛みしめてきた角田さん。
そんな角田さんの本を読むスタンス、愛情をたっぷりと感じることができる一冊でした。

みずから書評集ではなくて感想文集というとおりに好きな作家さん、作品への想いが理屈っぽくなくシンプルに伝わってくる。
まるでラブレターのようなそんな素敵な愛情のこもった感想文が詰まってます。

小学二年につまらないと思って読んだ『星の王子さま』が高校生になって読み直してすごい!面白い!と思ったエピソードや高校生のときにはまったくわからなかった川端康成の美の世界が大人になって理解できたというエピソードは本というものが持つ不思議なチカラ、楽しみ方を教えてくれるような気がしました。

この本を読むことによって読んでみたいという本がまた増えてしまった。
07:12  |  本(か行の作家)  |  トラックバック(1)  |  コメント(2)

2010.06.24 (Thu)

道徳という名の少年  桜庭一樹

道徳という名の少年道徳という名の少年
(2010/05/11)
桜庭 一樹

商品詳細を見る

内容(「BOOK」データベースより)
「愛してるわ!ずっと昔から…。子供の頃から、愛していたわ!」町でいちばん美しい、娼婦の四姉妹が遺したものは?(1、2、3,悠久!)、黄色い目の父子と、彼らを愛した少女の背徳の夜(ジャングリン・パパの愛撫の手)、死にかけた伝説のロック・スターに会うため、少女たちは旅立つ(地球で最後の日)、 ―桜庭一樹のゴージャスな毒気とかなしい甘さにアーティスト野田仁美が共振してうまれた、極上のヴィジュアルストーリー集。


桜庭さんお得意のマジックリアリズム。

町いちばんの美女と、彼女が産んだ父親のいない四人姉妹から始まる一族の物語。
血の匂いが漂う、美と醜と道徳という名の不道徳な世界。官能的で幻想的で退廃的な戦争のある世界。
連作短編なんですがひとつひとつがとっても短くてページ数も少なくてすぐ読み終わっちゃいます。
でも長い長い時間を濃厚に凝縮してあるので余韻にどっぷりと浸かりながらもう一度ページをめくりながら装丁、挿画を楽しみたくなるって感じの本でした。
DSCF6103.jpg

DSCF6105.jpg

こんな感じで今電子書籍が話題になってますが電子書籍では絶対に味わうことができないゴージャスな一冊です。
あとこの作品ですごいなぁーっと思ったのが初出誌。 
連作短編なのに発表した雑誌が5編見事にバラバラ。それがこれだけしっくりひとつにまとまって、まるでコンセプトアルバムといった感じです。この芸当には桜庭さんに拍手を送りたい。
05:58  |  本(さ行の作家)  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)

2010.06.22 (Tue)

小暮写眞館  宮部みゆき

小暮写眞館 (100周年書き下ろし)小暮写眞館 (100周年書き下ろし)
(2010/05/14)
宮部 みゆき

商品詳細を見る

内容(「BOOK」データベースより)
もう会えないなんて言うなよ。あなたは思い出す。どれだけ小説を求めていたか。ようこそ、小暮写眞館へ。3年ぶり現代エンターテインメント。


いろんなジャンルの物語を紡ぎだす稀代のストーリーテーラーの宮部さん。
今作は講談社100周年書き下ろし100冊の1冊で現代物としては3年振りの作品です。

帯の謳い文句が「物語のすべてが詰まった700ページの宝箱」

まさしく謳い文句どおりの素晴らしい作品で看板に偽りなしさすが宮部さんといった作品でした。

店舗付き住宅だった古い写眞館をそのままにして住むことになった花菱一家の物語。
心霊写真の謎を解いていくという展開にホラーっぽいのかなっと思ったらそうではありませんでした。
いつもながらに丹念にそして丁寧な描写を積み重ねながらゆっくりと物語は進行していきます。
立ち上がりはちょっとスロースターターな宮部さんですが後半、やがて薬が効いてくるようにじんわりとやんわりと切なさ、あったかさが心に染みこんでいって胸がいっぱいになってしまう。
親が子供を思う気持ち、子供が親を思う気持ち、人が人を思う気持ち、時を超えてつながりあう想い。
そんなすべてのつながり、想いを大事にしたいと思わせてくれる作品でした。
家族、青春、恋愛、ミステリー、ファンタジー、いろんな要素が詰まった物語。
宮部さんならではのあったかな目線が心地よかったですね。
英一をはじめとする登場人物の描写もお見事で特にピカちゃんがピカイチでした。コゲパンもよかったですね。
まぁ実際にはいまどきこんな高校生はなかなかいてないんですけどね。
01:49  |  本(ま行の作家)  |  トラックバック(1)  |  コメント(0)

2010.06.17 (Thu)

MUSIC 古川日出男

MUSICMUSIC
(2010/04)
古川 日出男

商品詳細を見る

内容(「BOOK」データベースより)
響き、響き。き、キキキ。聞こえてくるよ、猫笛、祝祭、大地の歌声―。青山墓地で生まれた無敵の天才野良猫スタバ。猫笛を操る少年佑多。学校を離れ独り走る俊足の少女美余。恋人を亡くした性同一性障害の北川和身。猫アートの世界的権威JI。孤独な人間たちは一匹の猫によって、東の都東京から西の都京都へと引き寄せられ、ついに出会う。そして究極の戦争が始まった…。溢れる音楽と圧倒的なビートで刻まれる、孤独と奇跡の物語。


疾走する無敵猫スタバ、猫笛を操る少年佑多、韋駄天少女美余、性同一障害のかずみ、腕の長い猫アーティストJI、四人と一匹の物語。

田淵佑多は13歳、11歳の夏までは猫たちを数えて勝負する世界の天才児ユウタとして名を馳せていた。
まだ名前はなかったが生命力の突出した猫のスタバ。
佐藤美余はシュガーという名前を小学校の校庭に埋めてきた。
かずみは肉体はひとつだが性はふたつある。北川和身と和美。だからかずみ、響きだけのkazumiがいた。

佑多が青山霊園でスタバと出会う。
極めつきの武闘派、無敵の天才猫スタバ、猫笛を鳴らして猫たちを率いるスキンヘッドの佑多。
青山から赤坂へ、行進がはじまる。
中学二年生同盟の美余と邂逅して西へと向かう、大都会東京から古都京都へと。

古川さんの作品はこれがお初でしたが、極端に短いセンテンスの文章、リズミカルで独特な文体は刺激的で魅力的で思わず音読したくなるほどでした。
ただ言葉の面白さは楽しめたのだけれどブツ切りで進行するドラマは個性的すぎて振り落とされてしまって物語を見失ってしまってなかなか楽しめなかった。

青山霊園での佑多とスタバの出会い、鴉たちとの闘い、京の天空を縦横無尽に駆け巡るスタバ、それら場面々々はすごく映像的で刺激的で理屈抜きの面白さがありました。

あまり深く考えずにリズムに乗って歌うように読むってことがこの作品には必要なのかもしれないと思った。
11:05  |  本(は行の作家)  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)

2010.06.14 (Mon)

今週の風と図書館予約本

先週末は仕事でしたが土曜日は岬で南風が吹いて、日曜は梅雨入り、津ではそこそこ風が吹いたみたいです。

梅雨時期は基本的には風は期待薄なんですが梅雨の晴れ間って意外と風が吹いたりするんですよねー

パターン的には梅雨前線が北上して日本海に低気圧が進んでくる。
こんなときは南系の風がけっこう吹きます。

ただこの前線の上がり下がりってのが専門家でも予測できないぐらい難しいんですよねー

さて今週は、、、
72.jpg

定休@水曜日、、、
あかん梅雨前線どっぷり、、、ひきこもり読書の一日決定か

jmap5.png

19日土曜日、、、
今の予報では前線が北上傾向うまくいけば先週同様、南系の風が吹きそうです。
19日はウインド仲間の結婚お祝い飲み会があるんで休みを取ってるんで岬でウインドして宴会へ出撃か

ただしただでさえ一週間後の予想は難しいのにこの時期はまったくあてになりまへんわぁ

さて、先週図書館で予約してた本を4冊引き取ってきたんですが現在予約中の本を整理してみました。

『白と黒が出会うとき』 新堂冬樹 (取り置き済)
『月の恋人』 道尾秀介 (取り置き済)
『民王』 池井戸潤 (取り置き済)
『柚子の花咲く』 葉室 麟 (取り置き済)
『夜行観覧車』 湊 かなえ (5/20予約、予約待ち中)
『日本のセックス』 樋口毅宏 (5/20予約、予約待ち中)
『フリン』 椰月美智子 (6/1予約、入荷待ち中)
『エデン』 近藤史恵 (6/2予約、予約待ち中)
『あられもない祈り』 島本理生 (6/3予約、予約待ち中)
『恋する空港 あぽやん2』 新野剛志 (6/11予約、入荷待ち中)
『バイバイ、ブラックバード』 伊坂幸太郎 (6/11予約、予定不明)

とりあえず届いてる4冊は今週引取り予定。
新堂さんは最近の作品があまりにもしょうもないのでもう読まない!っと思ってたんですが〝現在の医療問題のテーマに挑んだ衝撃作〟とのあおり文句に釣られて予約してしまったんですが読む前からなんとなく想像ができそうな気がします。
あとはみんな読むのが楽しみだなぁ^^

うちの図書館、予約順位がわからんのが難点なんですが今ホームページで確認したら『夜行観覧車』が蔵書1冊に対して予約が41名、やっぱり湊さん人気があるなぁ~
それに比べて『柚子の花咲く』先週予約したところなのにもう届いてます。
時代小説はうれしいかな悲しいかな人気がないです。

あと伊坂さんも人気があるのでちょっと早めに予約しました。

『夏の入り口、模様の出口』川上 未映子
『ええもんひとつ、とびきり屋見立て帖』山本兼一

今月発売ではあとこの2冊を予約しようと思います。

うーーーーん、、なかなか既刊本が読めない
11:52  |  天気  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)

2010.06.14 (Mon)

サクリファイス  近藤史恵

サクリファイスサクリファイス
(2007/08)
近藤 史恵

商品詳細を見る

出版社 / 著者からの内容紹介
ただ、あの人を勝たせるために走る。それが、僕のすべてだ。

勝つことを義務づけられた〈エース〉と、それをサポートする〈アシスト〉が、冷酷に分担された世界、自転車ロードレース。初めて抜擢された海外遠征で、僕は思いも寄らない悲劇に遭遇する。それは、単なる事故のはずだった――。二転三転する〈真相〉、リフレインの度に重きを増すテーマ、押し寄せる感動! 青春ミステリの逸品。


以前から名前は知っていた作家さんだけどなかなか読む機会がなかった近藤史恵さん。
新刊の『エデン』が第五回本屋大賞二位の『サクリファイス』の続編だと知ってまずはこの作品から読んでみようと図書館から借りてきました。

いきなり結論ですが読んでよかった!面白かった!本屋大賞の二位に納得です。
(今さらかよ^^;)

自転車競技のことをほとんど知らなかったのでロードレースって競技が個人競技としてより団体競技としての比重が重たいってことを知っただけでもびっくりでした。
スポーツノンフィクションを読むのも好きな僕にとってはロードレースという競技の奥深さを分かりやすく教えてもらっただけでもこの小説を読んでよかったなぁーと思いました。

ロードレースとは極めて紳士的で戦略と頭脳の限りをつくすスポーツ。

自分のため?チームのため?疾走感たっぷりでまるでノンフィクションを読んでるような気分でしたが事故が起こってこれはミステリーだったと気づく。

エース石尾は何を考えているのか?チーム内を蝕む不協和音。不穏な雰囲気がじわじわと拡がっていきついに惨劇が起こる。

石尾の思いの深さと重さの真実を知ったときに僕は唖然として言葉も出なかった。そして深い感動に包まれる。

彼(石尾)は誰よりも理解していた。
「勝利は、ひとりだけのものじゃないんだ」
命をかけた石尾のバトンを受け継いでチカは世界へ飛び立つ!

自転車ロードレースの物語としてもミステリーとしても一級品の作品です。

作者の近藤さんがこの作品のスピンオフが載ってる「ストーリーセラー」の筆者コメントで「ロードレースをリアル観戦したこともなく、ロードバイクにも乗ったことありません」とコメントしてましたがそれでこれだけ素晴らしい作品が書けるとは作家さんってやっぱりすごいですね。

05:02  |  本(か行の作家)  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)

2010.06.11 (Fri)

モンスター  百田尚樹

モンスターモンスター
(2010/03/25)
百田 尚樹

商品詳細を見る

内容(「BOOK」データベースより)
田舎町で瀟洒なレストランを経営し、町中の男を虜にする絶世の美女・未帆。彼女の顔はかつて畸形的なまでに醜かった。周囲からバケモノ呼ばわりされ友達もできない悲惨な日々。そして思い悩んだ末、ある事件を起こしてしまう。追われるように移り住んだ「美女の街」東京。そこで整形手術に目覚めた未帆は、手術を繰り返して完璧な美人に変身を遂げる。そのとき、甦ってきたのは、かつて自分を虐げた町に住むひとりの男に対する、狂おしいまでの情念だった―。


百田さんは『永遠の0』でデビューしたときから好きになって応援してきた作家さんです。

『聖夜の贈り物』『ボックス!』『風の中のマリア』と出す作品がすべて異質なテイストで凄いなぁーっと思っていたら今度は整形美人のお話しでした。

ブルドックみたいに不細工な顔をした女性が整形手術に目覚めて絶世の整形美女に変身して今まで酷い目に遭わされた人間に仕返しをする。

なんか新堂冬樹あたりが書きそうな安っぽい設定の話しだなぁーっと思ったら容姿にたいする執拗な書き込みとか陰湿な仕返し、エロっぽさまでも新堂冬樹ぽかった。

女性にとって「美」に対する思いってのは特別なものがあるとは思うんですがなんだぁなぁーって感じです。

百田さんその昔、学生時代みじめアタッカーの常連だったみたいだけどそれも関係してるのかな?

みじめアタッカーとは昔、関西ローカルで「ラブアタック」と言う番組があって、その番組は憧れのかぐや姫を獲得するために男性(アタッカー)達がいろんなゲームをしたりして、そこで勝ち残った人間がかぐや姫に告白をすることが出来るというゲーム。そのアタッカーで振られ専門がみじめアタッカーです。

整形美容の薀蓄などはいろんなテーマに貪欲に挑戦する百田さんらしく丹念に研究してあってなかなかと読ませてくれたんですが物語としてはいまひとつなものになってしまったなぁーってのが正直な感想です。

それなりに読みやすくて面白さは伝わってはくるんですけどそれだけで終わっちゃいました。

僕の中ではデビュー作の『永遠の0』が一番で出すごとにだんだんと評価が低くなってしまうのが少し悲しいです。


03:25  |  本(は行の作家)  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)

2010.06.11 (Fri)

津軽百年食堂  森沢明夫

津軽百年食堂津軽百年食堂
(2009/02/28)
森沢 明夫

商品詳細を見る

内容(「BOOK」データベースより)
ふるさと「弘前」を離れ、孤独な都会の底に沈むように暮らしていた陽一と七海。ふたりは運命に導かれるように出逢い、惹かれ合うが、やがて故郷の空へとそれぞれの切なる憶いをつのらせていく。一方、明治時代の津軽でひっそりと育まれた、賢治とトヨの清らかな恋は、いつしか遠い未来に向けた無垢なる「憶い」へと昇華されていき…。桜の花びら舞う津軽の地で、百年の刻を超え、永々と受け継がれていく“心”が咲かせた、美しい奇跡と感動の人間物語。


お初の作家さんでした。
少し前に『青森ドロップキッカーズ』というカーリングを舞台にした小説が気になっていたのですが同じ作家さんなのでまずはこちらから読んでみることにしました。

青森県では三世代、70年以上続いている大衆食堂を百年食堂と呼びます。
この物語はそんな百年食堂を舞台にした優しくてあったかな人間ドラマの物語でした。

森沢さんはこの物語を創るために実際の百年食堂を取材したときのエピソードがこのドラマの元になっているみたいです。

生れつき右足の指がなくてとろくさいからとろ森と呼ばれた大森賢治。
彼が露天の蕎麦屋を始めて乾物の行商をするトヨという娘と知り合って「トヨちゃんは俺が幸せにする」
奥手な賢治がやっとの思いでトヨを口説いて二人で初代大森食堂を出店する第一章。
第一章はそんな賢治のエピソード間に(四代目にあたる)大森陽一のお話が挟まれるという形で展開されます。

故郷を遠く離れた東京で大学を卒業しながらピエロのバイトで明日の見えない毎日を送っていた陽一。
そんなある日、バイト先でカメラマンのアシスタントをする七海と出会います。
二人は同じ高校の先輩と後輩と判ってお互いに惹かれていきます。

第二章からは陽一と七海のドラマが中心となっていきます。

「僕はいつまでピエロのまんまなんだろう」
食堂を継ぎたいそんなほのかな夢がありながら風船のお兄さん、ピエロを続ける陽一。
師匠に認められてカメラマンへの夢を駆け上がっていく七海。

五年振りに実家に帰った陽一は高校の卒業文集を見つけます。
作文のタイトルは「夢は日本一の食堂」 食堂を継ぐことが自分の夢だったってことをあらためて心に深く刻みこむ。

ちょっとうるっとさせられて心がほこっとするなかなかいい物語でした。

でもなんか読み終わって惜しい!って思う気持ちもけっこう残ってたりして・・・

『百年食堂』ってタイトルなんで陽一と七海の恋の話しばっかりじゃなくて破天荒な二代目とか食堂そのものの歴史の重みを感じさせてくれたらもっとよかったかなっとも思いました。

文章も読みやすいんだけどなんか特徴がなくて平凡な感じでしたね。

でもまぁ割と好みではあったかな。

「男女が二人でいるときに、頭の上さ花びらが乗ると思いが叶うんだって」明治時代、トヨが賢治に言った言葉

「男女が二人でいるときにね、どっちかの頭に花びらが乗ったら、その二人は幸せに結ばれるっていう噂」七海が陽一に言った言葉。

百年の時を超えてトヨと七海の言葉が重なる。ベタだけどこういうのって好きです。

桜の花びらが散る様子が浮かんでくるようです。


03:15  |  本(ま行の作家)  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)

2010.06.07 (Mon)

オランダ宿の娘  葉室麟

オランダ宿の娘 (ハヤカワ・ミステリワールド)オランダ宿の娘 (ハヤカワ・ミステリワールド)
(2010/03/19)
葉室麟

商品詳細を見る

内容(「BOOK」データベースより)
江戸参府のオランダ使節団が、自分たちの宿「長崎屋」に泊まるのを、るんと美鶴は誇りにしていた。文政五年、二人は碧眼の若者、丈吉と出逢い、両国の血をひく彼と交流を深めてゆく。まもなく、病人のために秘薬を探していたるんは、薬の納入先を聞きつけた丈吉と回船問屋を訪れる。が、店に赴いた彼らが発見したのは男の死体だった。さらに数年後シーボルトをめぐる大事件が起こり、姉妹はその渦中に。


前作「花や散るらん」は「忠臣蔵」を葉室さん流に新解釈。
そこに「いのちなりけり」の雨宮蔵人と咲弥を絡ませていくといった歴史物語。

今作「オランダ宿の娘」は葉室流「シーボルト事件」

シーボルト、間宮林蔵といった実在の人物、事件にオランダ宿「長崎屋」のるんと美鶴の美人姉妹、周りの人間が巻き込まれていく葉室さんお得意の展開は今回も健在です。
今までの葉室作品と異なるのはハヤカワミステリーワールドシリーズからの出版ということでちょっとしたミステリー仕立てになっています。
いつも一見繋がりのなさそうな歴史上の人物をうまく結びつけているのですが今回のサプライズはご存知遠山の金さん。
金さんの登場には思わずにやっとさせられました。

この作品でも歴史の裏に隠された物語を興味深く惹き込ませて読ませてくれる葉室ワールドは流石です。

ただ惜しむらくはミステリー味のふりかけが中途半端なのと枝葉の物語と登場人物の多さで散漫な印象になってしまったのが残念でした。
でもストーリーの面白さ、叙情性のある文章は魅力たっぷりなんで葉室さんには一本芯のとおった歴史物語を期待しています。
04:49  |  本(は行の作家)  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)

2010.06.05 (Sat)

ザ・万遊記 万城学

ザ・万遊記ザ・万遊記
(2010/04/23)
万城目 学

商品詳細を見る

内容(「BOOK」データベースより)
万城目学が、世界を日本を駆けめぐる。北京で五輪を堪能し、ロンドンでサッカーの醍醐味を味わい、バルセロナで不遜にもピカソに共感!?全国の湯治場でアキレス腱のリハビリに励み、国会議事堂で大物代議士をちらり見する…。世界のあちらこちらでの驚きや感動を綴ったエッセイ集。


マキメ氏のエッセイ第二弾。

各章を渡辺篤史リスペクトで〆てるんで篤史MY LOVEの印象が強いんですがスポーツ観戦&日常の出来事とバランスよくまとまってます。

内容的には日常の雑記的なエッセイがマキメっぽくて面白かった。

その中でも個人的に面白かったのは「小公女」
原作では貧しくてなったセーラが最後に大逆転を迎えたときに今まで意地悪されてたミンチンにきっちりと訣別をつけるのに対してアニメのラストはミンチンと和解して目出度し目出度しで終りを迎える。
この違いに「許せん!この恨み墓場まで持っていく」と憤るマキメ氏。
 マキメ氏とはひと回りちょっと年が離れてるので「小公女セーラ」は見てなかったんし「小公女」も読んでないですがなんかマキメ氏らしくて面白かったです。
夏だけでなく年がら年中現れ虫除けも効かぬ静岡の最強の蚊。名づけて「しずお蚊」にはうーんとうなりニタッとさせられました。
あと関西と関東のチャンネルの違いを書いた「のろいのチャンネル」
関西の個性の強いCM(特に深夜)のことを書いた「懐かしのローカルCM」関西ネタは大阪人の僕にとっては懐かしさも手伝ってとってはうんうんとうなずき思わずそやねん!と膝をうってしまう、ストライクでした。
04:17  |  本(ま行の作家)  |  トラックバック(1)  |  コメント(2)

2010.06.05 (Sat)

命もいらず、名もいらず 山本兼一

命もいらず名もいらず_(上)幕末篇命もいらず名もいらず_(上)幕末篇
(2010/03/25)
山本兼一

商品詳細を見る
命もいらず名もいらず_(下)明治篇命もいらず名もいらず_(下)明治篇
(2010/03/25)
山本兼一

商品詳細を見る

『火天の城』『利休にたずねよ』に続いて、直木賞作家が、満を持して放つ、渾身の超大作。日本をどうする。お前はどう生きる。最後のサムライ・山岡鉄舟、堂々の生涯。
幕府の旗本の家に生まれた鉄舟は、幼い頃から剣の修行に励み、禅を学ぶことで剣聖と呼ばれるにいたる。書の達人でもあったが、官位も金銭も身にまとおうとしなかったため貧しい暮らしであった。徳川慶喜のために身を賭し、後には朝敵であったにもかかわらず、明治天皇の教育係となるなど多くの仕事をなしとげるが、それは名誉のためではなく国家百年を考えた無私の行いであった。山岡鉄舟の生き方を通して、幕末から明治の近代国家へと移っていった動乱の日本を描き出し、戦後日本社会の歪みが露見し、惑うことの多い現代の私たちに、日本人としての生き方とは何かを問いかける。


激動の幕末!名を揚げることこそ武士の本懐という世においてどこまでも真っ直ぐで命がけで本気を貫いた鬼鉄こと山岡鉄舟を描いた物語。

山岡鉄舟の名前はなんとなく聞いたことがあるなって程度で坂本龍馬や勝海舟と言った幕末の偉人の中では脇役的なイメージしかありませんでした。

でも山本さんのこの作品を読んでその印象ががらっと変わりました。
山岡鉄舟は坂本龍馬、勝海舟とはまったくタイプの違った人間なんです。
とんでもない真っ直ぐさは美しくて清清しくて鬼鉄の魅力に引きずりこまれてしまう。
生まれてから死ぬまでとことんまっすぐに全力を貫いた男。
地位や名誉や財産などにはまったく執着せずにただただ自分自身に恥じないように生き抜いていく。

その昔、司馬遼太郎の『竜馬がゆく』を読んで坂本竜馬って凄い男だなって感動したのを思い出した。
それに匹敵するぐらい山岡鉄舟の魅力がたっぷりと詰まった素晴らしい作品だと思います。

『自分のためになり、人のためになることをせよ』
という父の遺言に対して鉄舟はこう思う。
『無私のこころはすばらしい。かといって、自分を捨てきって他人のために生きるのはむずかしい。
自分のためになって、なお、他人のためになることこそ、なすべきであろう。
それも、とことん本気で』

『武士は名を惜しむから不自由だ。
 -こころだ。
人を人として生かしているのは、ただひとつ、おのれの精神だ。
 -精神満腹-
なにはなくとも、おれはその伝で行こうと決めた』

『懸命に生きてさえいれば、負けて這いつくばり、なんの誉れがなくてもかまわない。負けるのが悪いのではない。全力を尽くさなかったことが悪いのだ。だからつねに全身全霊でことに当たる。そうすれば、満ち足りる。日々、満ち足りた精神で生きていく』

『男として生きる。それもよい男として全力で生き、よい男として悔いなく死にたい。
腹に鋼鉄の玉を秘めながら、春風のように爽やかに生きたい』

作中の山岡の言葉に惚れこんでしまう自分がいました。

こんなとてつもない日本人がいたんだということに深く感動を覚えました。

山本兼一さんも今までの作品と比べて奇をてらうことなく真っ直ぐな正攻法な歴史物語として書いています。

オススメです。
04:08  |  本(や行の作家)  |  トラックバック(0)  |  コメント(0)

2010.06.02 (Wed)

5月に読んだ本たち。

5月に読んだ本のまとめです。

『真昼なのに昏い部屋』江國 香織 7
『大仏男』原 宏一 6
『主よ、永遠の休息を』誉田 哲也 7
『粘膜人間』飴村 行 7
『天国旅行』三浦 しをん 8
『花散らしの雨 みをつくし料理帖』高田 郁 8
『バイブルDX』真藤順丈 6 
『星がひとつほしいとの祈り』原田マハ 8
『想い雲 みをつくし料理帖』高田 郁 8
『1Q84 BOOK 3』村上春樹 8
『オープン・セサミ』久保寺建彦 7
『命もいらず名もいらず(上)幕末篇』山本兼一 9
『命もいらず名もいらず(下)明治篇』山本兼一 9
『スコーレNo.4』宮下奈都 8
『六枚のとんかつ』蘇部 健一 5
『ザ・万遊記』万城目 学 7
『ヤングアダルト パパ』山本幸久 7
『オランダ宿の娘』葉室 麟 7

18冊読了でした。(数字は個人的評価です)

お初の作家さんは久保寺さん蘇部さんの2名で今月は少なかったですね。
江國さんは久しぶりに読んだけどこんな感じの文章書く人やったかな。
ペース的にはこのぐらいが僕にはちょうどええって感じです。
僕は本を読むのはどちらかといえば遅読なんでこれ以上のペースで読むと本を味わう時間が無くなってしまいそうです。
いいなっ!と思った作品を読んだときにはしばらくその余韻に浸る、、、その時間が好きです。
5月はなんやかんや言っても『1Q84 BOOK3』を読んでるときが一番幸せを感じましたねハート達(複数ハート)
大森さんがぼろかすにけなしてたし賛否両論だったので読むまで心配だったのですが心配御無用でした。
『BOOK3』ですが作品的には半分ぐらいは1.2のおさらいでなかなか物語が進行せず牛河だけがやたら新鮮で目立ってたぐらいで後半は青豆と天吾のセカチュー的な展開となるので大森さんがけなすのももっともだなーとは思ったんですが僕は村上さんの文章が好きなのでただただ幸せを感じて読んでました。
BOOK 1.2で中途半端だった謎もある程度解き明かされるんですが終わってみれば新たな謎がいっぱい。
これで終わってしまっても続編が出ても僕は受け入れるだけです。
あと印象に残ったのはしをんさんの『天国旅行』 この作品は心中をテーマとした短編集なんですがひとつひとつが個性に富んでひねりも利いて構成も見事でしをんさんお得意のBLを思わす作品もあってしをんさんやっぱりうまいや!って思いました。
『スコーレNo.1』もよかったですね。宮下さんの文章も好きです。
それで5月のベストですが1番は山本さんの『命もいらず名もいらず』
この作品は山岡鉄舟を主人公にした歴史ドラマなんですが鉄舟の魅力たっぷりで正統歴史物語を堪能させていただきました。
大昔に読んだ司馬さんの名作『竜馬がゆく』にも匹敵するんじゃないかなーと個人的には思っています。
ベスト2は『1Q84 BOOK3』でベスト3は『天国旅行』
残念だったのは今年毎月1冊は読もうと思ってた翻訳本が読めなかったこと。
やっぱり翻訳本にはまだ抵抗がるみたいです。

長くなりましたがいつものごとく下記に読書メーターで書いたひと言感想(コメント)を載せておきますので時間と興味がある人は読んでみてください。

真昼なのに昏い部屋真昼なのに昏い部屋
『性交』ってセックスのことだよね。ですます調と相まって不倫の物語なのになんか大人の童話みたい。きちんとした主婦で人妻の美弥子さん。ジョーンズさんにとって美弥子さんは小鳥のように可愛い人です。きちんとしなきゃと思いながら『世界の外』へ出ちゃった美弥子さん。だから美弥子さんは『きちんとした不倫妻になろう』と思います。美弥子さんのたんたんとした狂気にぞっとする。ジョーンズさんが手に入れたはずの可愛い小鳥は・・・ラストも残酷。でもなぜかふわふわした物語でした。
読了日:05月01日 著者:江國 香織
大仏男大仏男
読了日:05月04日 著者:原 宏一
主よ、永遠の休息を主よ、永遠の休息を
『武士道シリーズ』しか知らない人には意外に思えるかも知れませんが主役級の登場人物をあっさりと非情に死なせてしまうのは誉田さんの持ち味のひとつですね。読後感の苦味も〝良薬、口に苦し〟誉田さんらしいなと思った。事件を追う鶴田目線の間に桐江目線がスースーッとはいってきて次第に真実が明らかになって重なりあっていく展開は流石!ぐいぐいと読ませてくれます。小児性愛、誘拐殺人と重く暗いテーマを軽めのタッチで書くことによって作品全体としてはそんなに重苦しいものにはなってないのもよかったです。
読了日:05月05日 著者:誉田 哲也
粘膜人間 (角川ホラー文庫)粘膜人間 (角川ホラー文庫)
タイトルと装丁からもっとおどろおどろしい内容かなっと思ったけどエロスプラッタ度が高いけどグロさはそれほど感じずユーモア感覚に富んだ言葉使いなんかから童話を読んでいるような感じでした。独特な世界観を持ってる作家さんですね。モモ太、雷太のキャラがユニークでよかったですね。
読了日:05月06日 著者:飴村 行
天国旅行天国旅行
いろんなカタチの「心中」をテーマにした短編集。樹海に入って自殺しようとする男性、「遺言」というタイトルだけれど内容的には長年連れ添った妻への凄まじいラブレター、ファンタジーっぽい時間差心中、心中の王道物語ともいえる江戸、男女、前世の生まれ変わり、どれもこれもひねりが効いていて流石はしをんさんです。そして物語の最後に心中のテーマの中でも核心とも言える一家心中に辿りつく。この構成も見事でした。重苦しいものばかりでなく読み終わったあと生きていくことの大切さ誰かを愛していたいという思いを痛切に感じました。 つづく
読了日:05月08日 著者:三浦 しをん
花散らしの雨 みをつくし料理帖花散らしの雨 みをつくし料理帖
『楽しい恋は女をうつけ者にし、重い恋は女に辛抱を教える。淡い恋は感性を育て、拙い恋は自分も周囲も傷つける。恋ほど厄介なものはありゃしませんよ』澪のほのかで切ない恋の行方が気になります。前作に引き続いてのあったかな人情話に美味しそうな料理の数々。澪の頑張りと成長を応援したくなりますね。
読了日:05月09日 著者:高田 郁
バイブルDX(デラックス) (ダ・ヴィンチブックス)バイブルDX(デラックス) (ダ・ヴィンチブックス)
現代の聖書を創刊しようというプロジェクトのもと奇跡をおこすキリスト候補者探しの前半はなかなか面白かったんですが後半はいまいち好みに合いませんでした。いつもプロットは面白いし独特な世界観は持っていると思うんで頑張って欲しいです。
読了日:05月10日 著者:真藤順丈
星がひとつほしいとの祈り星がひとつほしいとの祈り
じんわりとゆっくりと味わいたい短編集でした。様々な女性が日常や旅をとおして人生を振り返りまた新たな一歩を踏み出していく。表題作、『夜明けまで』『長良川』がよかった。
読了日:05月13日 著者:原田 マハ
想い雲―みをつくし料理帖 (時代小説文庫)想い雲―みをつくし料理帖 (時代小説文庫)
読了日:05月14日 著者:高田 郁
1Q84 BOOK 31Q84 BOOK 3
BOOK1.2での謎や伏線が回収されたというよりはうまく収まったという感じでした。いまだ謎のままの部分が多いんだけどそれは読み手の想像力に委ねられるのかBOOK4へと続くのかはどちらでも受け入れてしまいそうです。僕は春樹さんの文章が好きなのでとにかく読書中は心地よくとても楽しいひとときでした。ただ二人の純愛の行方が予定調和的なのでBOOK1.2のような物語に切れ味とダイナミズムは感じられませんでした。それを今作では牛河の存在感が補ってくれています。なぜか頭の中には笑ゥせぇるすまんの喪黒さんの姿が浮かぶ。
読了日:05月17日 著者:村上 春樹
オープン・セサミオープン・セサミ
お初の久保寺さんでしたがとても読みやすくて楽しめました。いろんなはじめてを書いた短編集。中年BLの匂いがする『彼氏彼氏の事情』ちょっとヤクザなオージーと小学生の兄弟の夏休みの出来事を描いた『さよならは一度だけ』が好みでした。ただこのテイストは奥田さん山本さんといったライバルがいっぱいで独自性を出すのは難しいのか既視感を感じてしまったのは仕方がないのかな。
読了日:05月20日 著者:久保寺 健彦
命もいらず名もいらず_(上)幕末篇命もいらず名もいらず_(上)幕末篇
激動の幕末!名を揚げることこそ武士の本懐という世においてどこまでも真っ直ぐで命がけで本気を貫いた鬼鉄こと山岡鉄舟。とんでもない真っ直ぐさは美しくて清清しくて鬼鉄の魅力に引きずりこまれてしまう。下巻明治篇へ。
読了日:05月21日 著者:山本兼一
命もいらず名もいらず_(下)明治篇命もいらず名もいらず_(下)明治篇
その昔、司馬遼太郎の『竜馬がゆく』を読んで坂本竜馬って凄い男だなって感動したのを思い出した。それに匹敵するぐらい山岡鉄舟の魅力がたっぷりと詰まった素晴らしい作品です。生まれてから死ぬまでとことんまっすぐに全力を貫いた男。地位や名誉や財産などにはまったく執着せずにただただ自分自身に恥じないように生き抜いていく。こんなとてつもない日本人がいたんだということに深く感動を覚えました。
読了日:05月23日 著者:山本兼一
スコーレNo.4スコーレNo.4
『朝起きたときに飲みたいお茶が決まっていればその日は一日いい日になる』祖母から何度も聞かされてきた言葉。 『朝目が覚めたときに聴きたい曲が決まってると、その日は一日いい日になる気がする』好きになった茅野さんの言葉が祖母の言葉に重なったこのシーンが印象的でした。 大きな盛り上がりはないんだけど読み終わって胸のうちにじんわりとしたあったかな余韻が残りました。三姉妹の距離感もよかったですね。麻子は七葉にコンプレックスをずっと感じていたけれど七葉も麻子に対してコンプレックスを持っていたんでしょうね。
読了日:05月24日 著者:宮下 奈都
六枚のとんかつ (講談社ノベルス)六枚のとんかつ (講談社ノベルス)
いわゆるバカミス。あぁ~とてもくだらない。途中で読むのをやめようと思いながらなんとか惰性で読んだけどそれがこの本にはお似合いです。頭の体操的トリックはクイズ感覚で軽く読めますがやっぱりくだらない。まぁたまにはこんな本を読んでみるのも悪くないっと無理やり思い込む。
読了日:05月25日 著者:蘇部 健一
ザ・万遊記ザ・万遊記
マキメ氏のエッセイ第二弾。各章を渡辺篤史リスペクトで〆てるんで篤史MY LOVEの印象が強いんですがスポーツ観戦&日常の出来事とバランスよくまとまってます。内容的には日常の雑記的なエッセイが面白かった。「小公女」にニタッとさせられ「しずお蚊」にうーんとうなり「のろいのチャンネル」「懐かしのローカルCM」は大阪人の僕にとってはうんうんとうなずき思わずそやねん!と膝をうってしまう、ストライクでした。
読了日:05月27日 著者:万城目 学
ヤングアダルト パパヤングアダルト パパ
無責任で頼りない花音、離婚した両親、そんな大人たちに比べて14才の父親として自分の責任を取ろうと一生懸命になる静男が切なかった。でも父として我が子を愛し育てていくと言うのはとてもシンプルなことだ。今となっては静男にとって家族とは優作だけ。なんとかそれだけは守っていきたい。そして静男ならなんとかやってくれるんじゃないかという気持ちになる。山本さんがこの作品に込める気持ちはわかるんですがやっぱり僕等は山本さんにはあったかで前向きで元気をくれるような小説を書いて欲しい、読ませて欲しいと思う。
読了日:05月28日 著者:山本 幸久
オランダ宿の娘 (ハヤカワ・ミステリワールド)オランダ宿の娘 (ハヤカワ・ミステリワールド)
葉室流シーボルト事件。シーボルト、間宮林蔵といった実在の人物、事件にオランダ宿「長崎屋」の美人姉妹、るんと美鶴が巻き込まれていく。おまけ?にご存知遠山の金さんまで登場するのにはにやっとさせられます。歴史の裏に隠された物語を興味深く惹き込ませてくれる葉室ワールドは健在です。ただミステリー味のふりかけが中途半端なのと枝葉の物語と登場人物の多さで散漫な印象になったのが残念でした。ストーリーの面白さ、叙情性のある文章は魅力たっぷりなんで葉室さんには一本芯のとおった歴史物語を期待してます。
読了日:05月30日 著者:葉室麟

5月の読書メーター
読んだ本の数:18冊
読んだページ数:5665ページ

読書メーター


01:21  |  その他  |  トラックバック(0)  |  コメント(2)
 | HOME | 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。